市原リウマチ研究所
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  2006年03月号
日本医事新報掲載  
 
   
   
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「リウマチ患者における肺結核の早期診断について」(2006年3月号)  
  聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
岡  寛
 
   関節リウマチは、滑膜増殖・骨破壊を主病態とする自己免疫疾患であるため、その治療法は、免疫抑制療法が主体となっているのが現状である。
従って、通常の肺結核では、下記の症状が2週間以上持続した時に積極的に結核の検査をするが、免疫抑制剤使用下では、5日〜7日程度でも結核のルールアウトを行っていくのが妥当である。

肺結核初期では、
@長引く咳(5日間以上)
A咳に伴う痰、時に血痰
B全身のだるさ(倦怠感)
C夕方に繰り返す微熱(37.0〜37.5℃くらい)
D盗汗(ねあせ)
E食欲低下が挙げられる。

関節リウマチ自体でもB、Cの徴候を認めることがあるが、呼吸器症状や盗汗は要注意の徴候である。複数項目が該当する場合は、胸部X線、ツ反、喀痰検査(チールニールセン染色、蛍光法)、TB-PCR、培養検査を提出する。
血液検査では、白血球増多は通常なく、血清CRP値に比して赤沈の亢進が著明となる。
画像所見で結核が少しでも疑わしい時は、胸部CTが必要である。また、ステロイド剤や免疫抑制剤使用中で、ツ反が長経20mm以上となった時は、結核菌に感作されている可能性が高く、必ずCTを含めた詳しい検査が必要である。

以上は、肺結核への対応であるが、最近関節リウマチに使用されているTNF阻害剤(レミケード、エンブレル)については、肺外結核(リンパ節結核、栗粒結核)を約半数認める。従って、頚部のリンパ節腫脹や、不明熱の型で発症するため注意が必要である。レミケード、エンブレル使用中の結核感染症は、レミケードの場合は最初の3回前後(0,2,6週)、エンブレルも1ヶ月前後で発症しているケースが多い。従って、これらは陣旧性肺結核の再活性化が考えられるため、使用前には、ツ反、胸部X線のみでなく、リンパ球数、血清アルブミン、糖尿病の有無などのリスクファクターを検索し、さらに筆者らは全例に胸部CTによるプレスクリーニンングを行っている。
 
   
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