市原リウマチ研究所
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  エンブレル治療に関するQ&A
Q.エンブレルは、25mg週1回投与と25mg週2回投与で効果の差がありますか?
Q.エンブレルにメソトレキサート(MTX)を併用したほうが、効果があがりますか?
Q.エンブレルはレミケードより結核になりにくいと聞きましたが本当ですか?
Q.エンブレルは妊娠中でも投与できると聞きましたが、本当ですか?
Q.エンブレルと相互作用のあるお薬はありますか?
Q.エンブレルで長期に寛解になれば、エンブレルをやめられますか?
Q.エンブレルの重篤な副作用とは何ですか?また、その対策はありますか?
Q.エンブレルは、悪性腫瘍の発症率をあげますか?
Q.エンブレルもレミケードも反応しなかったら、リウマチ治療はどうなりますか?
Q.結局、エンブレルを投与すべきリウマチの人とは、どんな人なのでしょうか?
 
 
エンブレルは、25mg週1回投与と25mg週2回投与で効果の差がありますか?
この問題は、米国と日本で分けて考える必要があります。米国の臨床治験(第III相試験)では、エンブレル10mg週2回投与群と25mg週2回投与群では明らかに10mg群の効果が劣性でした。従って、米国では、25mgの週2回または、50mgの週1回の投与法となっています。しかし、日本の臨床治験では、エンブレル10mg週2回投与群と25mg週2回投与群では、臨床効果に差がありませんでした。従って、承認時の条件も10〜25mgの週2回投与となっており、用法、用量の適切性について再検討することとなっております。発売後の全例調査(PMS)の結果でも10mg群と25mg群の反応性に大きな差がありませんでした。現在エンブレル10mgのバイアルはありませんから、日本人に限っては、25mgの週1回投与の量でも、効果が十分期待できると考えられます。
 
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エンブレルにメソトレキサート(MTX)を併用したほうが、効果があがりますか?
MTXを併用した方が、効果があがると推定されます。海外の臨床試験(TEMPO試験)では、MTXの併用により、骨破壊の抑制効果が明確に示されています。国内では、MTXの併用による骨破壊の抑制効果はまだ結果がでていません。しかし、前述のPMSにおける24週投与後の反応性は、エンブレル単独群が81.5%, エンブレル+MTX併用群が84.9%であり、併用群が同等またはやや高率に反応していました。今後の長期の結果が待たれます。
 
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エンブレルはレミケードより結核になりにくいと聞きましたが本当ですか?
米国(FDA)のデータベースでは、確かにエンブレルはレミケードより結核の発症率が低くなっています。しかし、エンブレル治療中では、免疫抑制がかかっており、結核の発症(特に再活性化)の注意が必要です。実際にPMSの中間報告では、7091例中10例に結核が発症しており、これは諸外国の報告よりも著しく高率になっています。
 
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エンブレルは妊娠中でも投与できると聞きましたが、本当ですか?
エンブレルの妊婦の安全性の問題は未解決です。しかし、ラットおよびウサギの生殖発症の毒性実験では、胚、胎児、妊娠、出産、出産初期のエンブレルの影響はありませんでした。従って、エンブレルは妊娠、出産に影響が少ないと考えられます。現段階では、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与可能とされています。
 
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エンブレルと相互作用のあるお薬はありますか?
あります。サラゾスルファピリジン(アザルフィジン)です。機序は不明ですが、併用により白血球が低下する可能性があります。
 
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エンブレルで長期に寛解になれば、エンブレルをやめられますか?
今のところ、長期の寛解後でもエンブレルもやめられる証拠はありません。レミケードの場合、早期のリウマチでは、レミケードとMTXで治療した後、レミケードを中止して、MTXのみで寛解を維持できるという臨床試験があり、また私自身もこのような経験があります。
 
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エンブレルの重篤な副作用とは何ですか?また、その対策はありますか?
)  エンブレルの重篤な副作用で頻度が高いものは、感染症です。その中でも肺炎が再頻度です。特に既存の肺病変(間質性肺炎、閉塞性肺疾患)糖尿病、ステロイドの併用が肺炎のリスクをあげています。また、高齢者低体重者、喫煙歴ありの方も注意が必要です。さらに、エンブレルでは、皮膚および皮下の感染症の頻度が高くなっています。爪周囲炎、皮膚膿瘍、皮下膿瘍、蜂窩織炎などにも注意しましょう。私も、爪周囲炎や皮下膿瘍を発症した例を経験しています。
 
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エンブレルは、悪性腫瘍の発症率をあげますか?
本年度(2007)の米国リウマチ学会にて、エンブレルの北米患者の10年間の長期の観察研究の結果が示されました。その結果は、癌の発症率は、一般対照群と変わりなかったもの、悪性リンパ腫の発症率は、対照群より高率でした。この結果は、リウマチそのものが悪性リンパ腫になりやすいため、詳しい層別解析が必要です。日本では、使用期間が短く、悪性腫瘍の発症率を評価することがまだできません。
 
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エンブレルもレミケードも反応しなかったら、リウマチ治療はどうなりますか?
ご心配はいりません。両剤とも80〜90%の方が反応しますが、無効の方がいるのも事実です。こういった多剤耐性のリウマチの方では、シクロスポリン(ネオーラル:保健適応外)やタクロリムス(プログラフ)が有効である例を経験しております。また、レフルノマイド(アラバ)も副作用に注意して使用すれば効果の高い治療薬です。現在は、リウマチ治療の選択肢が増えていますので、何らかのお薬には反応するはずです。
 
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結局、エンブレルを投与すべきリウマチの人とは、どんな人なのでしょうか?
私は、エンブレル、レミケードという生物学的製剤を投与すべき方を以下のように考えています。(私案です)

* 生物学的製剤の効果が高い方
【1】 発症早期の関節リウマチ(できればstage II以内)
【2】 年齢が60歳未満
*関節リウマチの骨破壊が進行しやすい方
【3】 リウマチ結節が多発している
【4】 発症3ヶ月以内でびらん(X線上の骨破壊)が多発している
【5】 抗CCP抗体が50U/ml以上
【6】 リウマトイド因子が100IU/ml(免疫比濁法)以上
【7】 血清MMP-3が200ng/ml以上
 
   
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